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「群読」を学ぶ

今日は朗読講座の日。

先日よりお伺いしている福智町図書館に伺ってまいりました。

我が家からは車で1時間以上かかりますので、朗読に備えて発声練習をしながら運転しています。

発声表

藤重知子先生オリジナル発声表。日々お役立ちです。

発声練習のメニューは

①藤重知子先生オリジナル「フジコ式大笑い発声体操」

 短時間で喉を温めるのに効果的!

②ぱたか体操

 顔の筋肉をほぐすのと、滑舌アップに効果的です!

③藤重知子先生発声表より「五十音」基礎練習

 もちろん、見ながら運転していません。覚えていま~す。

④1曲歌う♪

 せっかく声出ししたので、「いい声でるぞ~」とイメージしながら好きな曲を歌ってテンションあげます。

信号待ち中は、隣の車から見られてしまうのが恥ずかしいのでさすがに控えますが、概ね上記の通り口を開けたまま運転しています(笑)

 

今回は「群読」に挑戦しました。

※群読とは文章や詩を大勢が分担しながら朗読することです。 (「大辞林」より)

何人で何を読むかは当日までのお楽しみ。

楽しみにしていた課題作品は「猫年(ねこどし)の女房」

沢村貞子さんの書かれたエッセイです。

さて、本日学んだポイントを3つご紹介します。

①「群読」で大切なこと

大切なポイントは以下3点

・作品のイメージを持つこと(具体的であることが大切)

・聞く相手をイメージすること

・一緒に読む人と共有できるイメージを持つこと

最初は数行ずつ一人で読みながら、全体を通しで読んでいましたが

途中から「地の文を読む人」と登場人物別に「セリフを読む人」に分かれて読みを実践してみました。

面白い!

同じセリフでも読む人によって、全然違う雰囲気の登場人物が現れます。

いずれにしても、大切なのはイメージすること。

何歳かな?どんな性格かな?どんな着物を着ているかしら?

具体的に明文化されていない部分であっても、イメージしてから読まないと聞いてる相手には伝わらないものです。

・・・ちなみに、私は「母親のセリフ」を読んだ時に声が色気がありすぎると言われました(笑)その通り、母親の年齢をイメージできていないまま読んでしまったのでした。さすが先生にはお見通しです。

そして、「群読」の場合はそのイメージを一緒に読む人と共有しながら作品を作り上げることが必要となります。

各々が各々のセリフだけに捉われていては、いい作品づくりができないということですね。

②導入部分は丁寧に

舞台でいうところの幕が開きドラマが始まるまでの間、観客は舞台の背景や配置された道具などを見て今からどんな話が始まるのか想像を膨らませます。

朗読の聞き手は視覚的に情報を得ることができないため、ドラマが始まるまでの導入部分はゆっくりと丁寧に読み、聞き手の想像力を膨らませるお手伝いをすることが大切です。

特に読み始めは緊張して、うっかり早口になりがち。

少しゆっくり読むことを意識するといいようです。

③「正しく読む」ことに捉われない

漢字の読み方と読点の読み方については、朗読の場合「正しい」ことに捉われる必要がないということです。

もちろん作者が予め読み仮名を振っている漢字については、その通りに読む必要があります。

しかし、読み仮名のない漢字については、描きたい作品イメージに合わせて自由に変えて読んでも構わないのです。

これは、もともと声を出して読むことを前提としていない作品の場合に見受けられるものだと思います。

文体として、適切な場所、美しい文であるように漢字を選び、読点が振られているためその通りに読むと話し言葉ではとても使わないような言葉遣いになり、イメージとそぐわなくなってしまう場合があるのです。

例えば「猫年の女房」仁吉のセリフより

「年令は・・・私より二つ三つ上でしょうかね」

というものがあります。

「年令」という漢字に対して

「ねんれい」と読むか「とし」と読むかで印象がずいぶん違います。

ちなみに仁吉は23歳の大工の青年。浅草育ちの江戸っ子です。

「ねんれい」と読んでも決して間違いではありませんが、仁吉の話し言葉としては「とし」と読む方がしっくりきませんか?

同じく読点「、」も必ずここで区切らなければならないという訳ではありません。

読みたいイメージに合わせて、読点を飛ばすことは間違いではないのです。

 

本日読んだ「猫年の女房」

こちらは沢村貞子さんのエッセイ集「私の浅草」に収録されている作品です。

私の浅草

雑誌『暮しの手帖』に連載されていたエッセイ74編が収録されています。

「猫年の女房」は5分ほどで読了できる随筆なのですが、読んだあとになんともほっこりした気分にさせてくれます。

こちらのエッセイ集には戦前の浅草を舞台に、 東京下町の人々の人情あふれる暮らしぶりや、子供たちの生活、四季折々の町の表情、そして亡き父母、兄弟の思い出を綴った作品が収録されているとのこと(Amazonより抜粋)

沢村貞子さんは昭和の名女優でありながら、文才もすばらしい。他の作品も読んでみたいと思います。

ちなみに「私の浅草」をドラマ化したものが1978年のNHKドラマ「おていちゃん」です。

ご存知の方は懐かしいことでしょう・・・。

(クリックすると別ウインドウが開きます)

次回の朗読講座のテーマは「冬」

落語好きな私は「冬」と聞くと「芝浜」「文七元結」「鰍沢」「うどんや」・・・といった冬の噺を思い浮かべます。

何を読もうかな・・・も大切ですが、「誰に聞いてもらおうかな」をイメージしながら作品を選んでみたいと思います。


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